レントゲン診査
インプラントではレントゲン診査は非常に重要です。レントゲンは上に延べたように、骨の状態を診査する上で骨の厚みや形態を診査します。当医院では従来の撮影方に断層撮影を加えより的確に骨の状態を診査できるレントゲン撮影機Scanoraにより、正確な診査を行っています。
scanora
実際の撮影(術前〜術後)
術前パノラマ
基本となるパノラマ撮影により、骨の高さを診査します。下顎には下歯槽神経の走る下顎管があるため、インプラントは限られた範囲内に埋込まなければなりません。従ってこの撮影方によりインプラント体の長さを決定します。レントゲン写真に写っている棒状の線は、インプラントを埋める方向を示しています。
術前断層
断層撮影は顎の断面を撮影し、骨の厚みと角度を計測します。人によって顎の太さや、角度は違います。エラが張った人は骨が斜になって写りますし、顔の小さい人は骨が細く写ります。これによってインプラント体の上の歯との噛み合わせの関係と、方向を確認します。
断層撮影を撮ることにより、3次元的に骨の形態を理解することが、可能となるのです。
術後パノラマ
術後のインプラントの状態。定期的な検診の際に、レントゲンを撮影することは、予後の経過を追う重要な指標となります。
インプラントの種類
インプラント体は多くのメーカーから、さまざまな種類の製品が生産されています。過去多くの素材や形が検討されましたが。現在では人体との親和性の優れたチタン製のものが主流となっています。形状は様々でシリンダータイプ、スクリュウタイプ、フィンタイプ、ブレードタイプ、骨内インプラントなどがあります。どの製品が良いのかは、一概には言えませんが、今あげたはじめの3つは今の主流であり、大きな問題はないと思います。それぞれのドクターの考え方で選んでおり、正しい術式と診断がなされていれば問題ありません。
当医院では主にシリンダータイプとフィンタイプを使用しています。
1.シリンダータイプ
表面をハイドロキシアパタイトで
コーティングされたインプラント。
上顎の骨に早期に結合する。
CALCITEK SPLINE
2.フィンタイプ
インプラント体からフィンが延び
表面積を増しているため、従来の
インプラントより短いものでも
十分に骨に結合する。
BICON
インプラント治療の流れ
インプラント治療は、歯が元々失われているところに埋める場合と、これから抜歯する場合とで異なります。これから抜歯をする場合は抜いてから約2ヶ月骨の再生を待ってインプラントの手術になります。
この場合、元々歯がない場合と違って、骨の再生し始める組織は柔らかいですので、ドリルを使わず手彫りで出来ますので、かなり簡単に手術可能です。
元々歯が失われているところに行う場合。
麻酔をかけてあごの骨にインプラントを入れる穴をあけます。
穴のなかにインプラントを埋め込みます。
インプラントがあごの骨と結合し、固定される期間を置きます。(10週から6ヶ月。個人差があります。)
2回目の手術でインプラントを露出させます。この手術をしない場合もあります。
アバットメント(土台となるパーツ)をインプラントに装着します。
型をとって、セラミッククラウンをアバットメントにかぶせて完了です。
インプラント治療の特長
インプラントの埋入は原則的に局所麻酔で行い、痛みはほとんどありません。
手術時間はインプラントの本数により異なりますが、少ない場合は1時間以内で終了することもあります。
術後入院の必要は原則的にありません。
インプラント術後の不快感は一般的に抜歯時と同様、もしくは少ないと言われています。
投薬の注意はお守り下さい。
術後は氷等で、冷やすと腫れが押さえられます。出来ればご帰宅後冷やすといいでしょう。
出血はほとんどありませんが、誘発するような 術後の部位をあまり刺激しないようにして下さい。
症例1(術前)
年齢:49歳
性別:女性
主訴:奥歯にインプラントを入れたい
術前 下の奥歯が左右ともなく、以前作ったセラミックの歯と歯肉の間が虫歯になっていました。
前歯はセラミックですが、歯肉が退縮し歯の根が見えています。
下は奥歯がない状態です。
症例1(術後)
術後、セラミックによって古い治療をやり直しています。
はるかに自然な状態になりました。
セラミックにより、金属は見えないようになりました。
奥歯もインプラントで咬むことが可能になりました。
症例2(術前)
年齢:49歳
性別:女性
主訴:前歯のブリッジがとれた
上の歯は根だけになってしまいましたので、
歯周外科手術を行い歯の根を使えるようにしました。
右側
左側
症例2(術後)
上の前歯は全ての歯を連結したブリッジで治療し、
下顎の左右の奥歯がインプラントの治療です。
右側
左側